“名前を付ける”ことが、人とつながるきっかけに。『めいめい』が語るポッドキャストという遊び

インターネットラジオの代表格、「ポッドキャスト」の魅力はどこにあるのか。その配信者であるポッドキャスターへのインタビュー連載「ポッドキャスターに聴く」。

第25回は、『めいめい』のカンタさん、上水優輝さん、そして番組の企画・運営を手がけるsowaさんにお話を伺いました。

ポッドキャスト番組『めいめい』のインタビュー紹介画像

“名前を付ける”という遊びを通じて、人との交流を広げる『めいめい』。ポッドキャストを始めた経緯や番組制作で大切にしていること、リスナーと一緒に命名するイベントでの体験、今後やってみたいことなどを語ってもらいました。

『めいめい』が語る音声メディアの魅力

本記事では、『めいめい』のカンタさん、上水優輝さん、sowaさんに、ポッドキャストをはじめとする音声メディアの魅力を伺っていきます。

番組紹介:めいめい

『めいめい』は、日常のモヤモヤや、まだ名前のない感情・現象について考え、名前を付けていくポッドキャスト番組です。カンタさんと上水さんが、お題をもとに話を広げながら、最後には「命名」を目指します。

「名前を付ける」というゴールが、自由な会話を支える

──『めいめい』はどのような番組ですか?

上水: お題に名前を付ける番組です。もともと僕とカンタさんが2人で雑談すると、話がどこに向かっているのか分からなくなることが多かったんです。

でも、『めいめい』には「名前を付ける」というゴールがあります。話が広がっても、「最後に名前を付けるために、この話をしているんだな」と分かる。その安心感や、企画の分かりやすさが支持されているのかなと思います。

カンタ: 僕と上水さんは似ているところが多くて、最初は「似た者同士の2人が話しても面白くないんじゃないか」と話していました。

でも、sowaさんが考えてくれた企画で話してみると、「この組み合わせで面白くなるんだ」という感覚がありました。

『めいめい』の番組づくりに関するインタビュー画像

──番組を始めたきっかけは何ですか?

カンタ: 僕は本業で会社経営をしていて、会社の広報活動としてカンファレンスに登壇したり、記者さんの取材に対応したりする機会があります。

「ちゃんとしたことを言わなければいけない」という状況が続くうちに、外向けの自分のイメージと、実際の自分とのギャップに違和感を持つようになりました。

その話を上水さんにしたら、「ポッドキャストがいいですよ」と勧めてくれて。長く話していると、価値を出そうとしなくても、その人の価値観が自然と伝わる。外向けのイメージと実際の自分との距離を埋めるのに、ちょうどいいんじゃないかという話になったんです。

ただ、僕には特に話したいことも、やりたいこともなくて(笑)。そこでsowaさんを紹介してもらい、考えてくれたポッドキャスト企画の中に『めいめい』がありました。

上水: 3人で初めて企画について話し合ったときに、『めいめい』の企画の形が見えてきました。試しに1本収録してみたら、すごく楽しかったですね。それが決め手となり、この企画で番組を始めることになりました。

価値を出しようとしすぎず、番組らしさを大切にする

──番組運営において、大事にしていることは何ですか?

カンタ: 「価値を出そうとしないこと」です。最近は聴いてくださる方が少しずつ増えて、お悩みのようなお題が届くこともあります。名前を付けたことでポジティブな反応をいただけるのは嬉しいですね。

ただ、そこで「もっと価値を出しよう」と頑張ると、たぶん続かなくなってしまいます。だからこそ、価値を出そうとしすぎず、マイペースに続けていけると良い気がします。

上水: 僕もカンタさんと同じで、リスナーに合わせようとせず、番組らしさを大切にしたいと思っています。

僕が大切にしたいのは、色々な人と一緒にやることです。この番組には「命名」という共通のお題があるので、ゲストが来ても一緒に遊べるんですよね。明確なフォーマットがあるおかげで、初対面でもしっかり話すことができます。

『めいめい』の公式X投稿に掲載された画像
引用元:https://x.com/meimeishimasu/status/2070085842291642461

──sowaさんは、企画や編集でどのようなことを意識していますか?

sowa: 2人は、番組について私に任せてくれている部分が多いんです。だからこそ、自分の好みを押し付けたり、コントロールしすぎたりしないよう、バランスに気をつけています。

例えば、話が私の想定とは違う着地点になったとしても、それは2人の価値観から出てきたものです。編集でその内容を歪めないようにしています。

──番組作りにあたって、参考にした番組はありますか?

sowa: ポッドキャストで具体的に参考にした番組はないですね。ただ、今になって思えば、私が好きなEテレや深夜のお笑い番組など、これまで見てきたものの蓄積から出てきたような気がします。

リスナーにとって受け取りやすく、負担にならないことも意識しています。気軽に聴けて、「また次も聴きたい」と思ってもらえる番組が理想ですね。

──初めて聴く人におすすめのエピソードを教えてください。

sowa: お題である「命題」をメニュー表のように見て、好きなものから聴いてもらえたらと思います。

カンタ: 「これ、分かる」というものでも、「何これ?」と気になるものでもいいですね。どこから聴いても大丈夫ですし、ぼーっとしていて少し聴き逃しても問題ありません(笑)。

リスナーと一緒に言葉を見つけ、遊びの輪を広げたい

──普段は、どのように収録していますか?

カンタ: 基本的にはオンラインで、月に1回、4〜5本まとめて収録しています。1回の収録は、だいたい2〜3時間くらいですね。

sowa: 名前が思い浮かばないときは、2人とも斜め上をずっと見ています(笑)。

──PODCAST WEEKENDでは、リスナーと一緒に命名する企画を実施されましたね。

カンタ: ブースに来てくださった方に座ってもらって、僕と上水さんと一緒に名前を付けました。お題も、その方に考えてもらう形です。

その方がモヤモヤしていることについて、「どういうことなんだろう」と一緒に掘り下げて、言葉を見つけていく。ポッドキャスターではない方とも自然に話せましたし、その共同作業を通じて、お互いのことを深く理解できる感覚がありました。

改めて、いい遊びだなと思いましたね。

上水: 「限界めいめい」という企画でしたが、ずっと頭をひねって名前を考えていたので、さすがに疲れました(笑)。

『めいめい』のリスナーとの命名企画に関する画像

──今後、やってみたいことはありますか?

カンタ: 『めいめい』は、遊びだと思ってやっています。色々な人と一緒にできる遊びなので、これからもその輪を広げていきたいですね。

sowa: 桃山商事のワッコさんがゲストに来てくれたときに、「楽しいから、ずっとできる。『朝まで生めいめい』をやってみたい」と言ってくれたんです。いつか実現できたらいいなと思っています。

上水: 仲の良いポッドキャスターを集めて、リレー形式で朝まで命名するような企画ですね。

──「名前を付ける」という遊びが、人と話すきっかけにもなっているんですね。

sowa: 元々、社交が苦手な3人なので、『めいめい』があることで「これなら社交できる」という感じがします。

カンタ: 「名前を付けよう」という共通の話題がありますからね。鬼ごっこも、ルールを共有していれば誰とでもできるじゃないですか。『めいめい』も、そんな感覚で続けていけたらいいなと思います。

──ありがとうございました!

取材を振り返って

「価値を出そうとしないこと」を大切にしながら、配信を続ける『めいめい』。

自由に話を広げられるのは、「名前を付ける」という共通のゴールと、2人のやり取りを生かすsowaさんの企画・編集があるからだと感じました。

リスナーと一緒に言葉を見つける体験そのものが、人との交流のきっかけになっているのもポッドキャストというメディアの良さかもしれません。番組を通じて多種多様な「命名」が生まれていくのを今後も期待しています!

めいめい

連載「ポッドキャスターに聴く」では、今後もいろいろなポッドキャスターの方々にお話をお聞きしていく予定です。その他の記事も「ポッドキャスターに聴く」の一覧ページからチェックしてみてください。