AI音声技術を提供するElevenLabsは、歴史上の象徴的な人物の声を正式な権利者との契約に基づいて利用できる「Iconic Voice Marketplace」を提供しています。歴史上の最も象徴的な人物のAI音声とIPを、クリエイティブプロジェクト向けにライセンスする場として位置づけられています。

映画から教育まで、多用途で活用できるライセンス音声
ElevenLabsは、歴史上の人物やエンターテインメント界の著名人など、広く知られる人物の声とIPを、正式な権利保有者との契約に基づいて利用できるプラットフォームとして「Iconic Voice Marketplace」を展開しています。公式サイトでは「歴史上の最も象徴的な人物のAI音声とIPを、クリエイティブプロジェクトのためにライセンスする場」と説明しています。
本サービスでライセンスされた声は、映画・テレビ・ドキュメンタリーのナレーション、広告やブランドキャンペーン、ゲームやインタラクティブメディア、ポッドキャスト、教育・文化コンテンツなど、幅広い用途で使用できます。使用条件や地域、期間などは、権利者との個別契約で定義され、各プロジェクトに対して明確な合意を得る仕組みが採用されています。
利用可能な声の例
公式のカタログには、以下のような人物が挙げられています。
- Judy Garland — 『オズの魔法使い』のドロシー役で広く知られる、アメリカの女優・歌手。
- Lana Turner — ゴールデングローブ賞を受賞した、ハリウッド黄金期の映画女優。
- Alan Turing — コンピュータ分野での画期的な業績で知られる数学者であり、歴史的人物。
これらの声は、映画スターや作家、科学者などを含む「歴史上最も称賛される声の厳選コレクション」の一部として紹介されており、新たなアイコンが定期的に追加されると説明されています。
ライセンス依頼と利用の流れ
Iconic Voice Marketplace では、利用を希望する企業やクリエイターが、利用したい声をカタログから選び、プロジェクトの詳細(形式、目的、対象、使用意図など)を添えてライセンス依頼を提出します。各依頼は才能本人またはその権利者によって審査され、承認された場合は両者間でライセンス契約が作成されます。
公式ページでは、ライセンスは「すべての関係者を保護するための慎重な承認プロセス」に基づいて行われると説明されており、契約が確定したプロジェクトについては、ElevenLabsが合意された条件に基づいて制作を支援する場合があるとしています。権利者との合意にもとづいて声とIPを利用する仕組みである点が明示されています。
ElevenLabsとは
ElevenLabsは、テキストから自然な音声を生成できるAIオーディオプラットフォームを提供する企業です。多言語対応の音声合成モデルを開発しており、ナレーション制作や動画・ゲーム、学習コンテンツなどに利用できる音声を生成するサービスやAPIを展開しています。



故人の声は、本人じゃなくて遺族や管理団体と契約するのね。作品みたいに受け継がれる権利なんやな。