ラジオやポッドキャストの人気パーソナリティは、日々どんなことを考えて番組づくりに臨んでいるのか。音声メディアの名手にインタビューする本企画。第2回は、J-WAVEのラジオ番組『GURU GURU!』で水曜日のナビゲーターを務める、福留光帆さんと前田裕太さん (ティモンディ)に話を伺いました。
番組を始める前は、面識のなかったふたり。にもかかわらず、息の合った掛け合いで番組を盛り上げています。そのコンビネーションはどのように生まれたのか、その秘訣を探ります。
『GURU GURU!』ナビゲーターが語る音声メディアの魅力とは?
本記事では、J-WAVE『GURU GURU!』で水曜日のナビゲーターを務める、福留光帆さんと前田裕太さん (ティモンディ)に、音声メディアの魅力について伺っていきます。
番組紹介
番組名:GURU GURU!(J-WAVE)
URL:https://www.j-wave.co.jp/original/guruguru/
世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく“逆転ラジオ”。月曜日は加賀翔(かが屋)、火曜日はダウ90000、水曜日は福留光帆&前田裕太(ティモンディ)、木曜日はエバースがそれぞれ曜日替わりのナビゲーターを務めている。
絶対に“交わらない”はずのふたりだった
──おふたりはラジオで共演されるまで、ほとんど面識がなかったと聞きました。それなのに、どうしてこれほどまでに息がピッタリなんですか?
福留:もうそれは、前田さんがお上手なので。ピッチャーにもキャッチャーにもなれる方ですから。
前田:思ってないこと言うな。
福留:前田さんと目を合わせたら、今どちらがピッチャーかキャッチャーか分かるんです。
前田:話の「投げ手」と「受け手」を野球でたとえてくれたのね。でも、僕はわりと彼女に頼ってる部分が結構あって。
福留:ちょっと、彼女って……。
前田:ガールフレンドの意味じゃなくて。ただの三人称の意味ね。
福留:うちのがね。
前田:「うち」って言うな、意味変わってくるから。でも実際、僕らの曜日以外はみんな芸人が担当しているんですよね。人によってはやりづらさも感じるはずなんですけど、ほとんど違和感なく聴いてもらえていると思います。福留氏もやりづらそうな感じはないので、本当にラジオに向いているタイプなんだなって思いますね。
──本当に、初回放送から楽しそうな雰囲気です。
福留:失礼な言い方をするとですね……。
前田:じゃあやめて。
福留:最初のファーストインプレッションは、おそらくお互いに「大丈夫かな」って不安だったと思います。ふたりの性格も「陽」と「陰」で、普段の生活では絶対に交わらないタイプですし。
前田:交わりはしないな〜。
福留:でもそういう不安が、初回放送で180度変わりましたね。前田さんは、不器用そうにみえて、意外と器用なんだなと。「不器用代表」みたいな顔してるんですけど(笑)。臨機応変に対応してくれるので、始めの不安はすぐになくなりました。
前田:誰が不器用代表だよ。
でも最初に考えたのは、他の曜日のナビゲーターを横並びでみたときに、どういう立ち位置で話すべきなのかなと。テレビで見せている姿が良いのか、それとも他では見れない「素」の姿が良いのか。番組が始まってからも色々考えながらやっていましたけど、そういうのって相手が器用じゃないとできないと思います。
福留:まあ、お互い器用な人間なので、『GURU GURU!』に起用されたのかなと。
前田:座布団あげてください。
福留:あ、この椅子、座り心地良いんで。座布団いらないです。
──この取材も、『GURU GURU!』を聴いているような心地良い感覚があります。
福留:うちら、良い意味でも悪い意味でも、オンとオフがないんですよね。いつも「このまんま」です。
前田:そこはラジオの良さですよね。テレビのように、何かしらの“役割”を求められて出るのとは違う部分が出ているのかなと思いますね。
──「漢字読めなくても良くない?」のエピソード(2025年5月14日放送)は、私の息子(小学2年生)も聴いていて、ふたりの掛け合いにケラケラ笑っていました。
福留:それ、教育に悪いですよ。でも「漢字の回」ってことは、私で笑ってくれたんですね。お年玉あげます。
前田:福留氏の無知で笑ってただけじゃん。
福留:親近感を覚えたんでしょうね。恥ずかしい話ですけれども、良かったです。そう言っていただけるのであれば!
結論を求められていないから、テーマは何でも良い
──『GURU GURU!』が始まって、おふたりに変化はありましたか?
福留:私は「生放送」のラジオをレギュラーで担当するのが初めてでした。楽しいのは、リアルタイムでSNSのリアクションをみれること。みんなで番組をつくっている感じがして、すごく良いなって思います。
──確かに「収録放送」の場合、リアクションを確認するまでにタイムラグがありますよね。
福留:そうなんです。生放送はリスナーさんとリアルタイムで会話してるみたいな感じですね。
前田:福留氏はいつも元気だよね。
福留:もともと夜行性なんで。全然眠くないです。
──前田さんはいかがですか?
前田:J-WAVEって、音楽好きな人が聴いているイメージがありますよね。実際、音楽ファン向けの番組もたくさんつくっているし。だからアーティストの番組がたくさん並ぶ中で、『GURU GURU!』は珍しい番組だと思うんですが、ネガティブな声もなく、ちゃんと聴いてもらっているなと実感しますね。
──番組で話すテーマは、事前におふたりで決めているんですか?
福留:テーマは、作家さんがいつも考えてくれますね。たまにふたりで、「こういうテーマ良いんじゃない?」みたいな相談もするんですけど、採用されたことはないです(笑)
前田:いつも「それ、良いっすね」って言われるんだけどね。
福留:テーマは、私たちの会話の中でみつけているんだと思います。知らんけど。
前田:ただテーマって、極論、何でも良いのかなと。テーマがポンっとあるだけで、お互いのスタンスで話していけるんで。だから、テーマ設定が超重要ってわけじゃないと思います。
福留:テーマに沿ったメールもいただきますが、テーマと内容が噛み合っていないものもけっこう多いので。まあ私たちも、結論がまとまらないときの方が多いですし、そっちの方が楽しいですよね。
──確かに、かっちりした“答え”をリスナーは求めているわけではなさそうです。
福留:誰も討論する気はない。かといって意見を交換してるわけでもなく……。いったい、いつも何を喋ってるんですかね。タイトルも『ごちゃごちゃ』に変えた方が良いんじゃないですか?
前田:実際やることは一緒だけどね、タイトル変えたとしても。あと、似たような名前の番組あるよ。
福留:じゃあ『ごちゃごちゃ』は無理か。『ぐちゃぐちゃ』にしましょうかね?
前田:そんな名前の番組、誰が聴くんだよ!
ラジオもイベントも、“みんなで”つくりたい
──番組初のイベント「J-WAVE INSPIRE TOKYO 2025 supported by Expedia presents GURU GURU! POWER STAGE ~4曜日ではじめて一致団結するフェス(仮)~」が、7月13日(日)にLINE CUBE SHIBUYAで開催されます。福留さんが実行委員長に就任されたそうですね。
福留:勝手に決められました(笑)。でも、楽しく役割を全うさせていただいてます。
芸人さんがたくさん出演するので、バラエティ企画が多いですね。各曜日のナビゲーターがリスナーさんと勝負する企画とか、前田さんが参加するシャッフルコントとか。どんなイベントになるのかめちゃめちゃ楽しみです。あと、どれだけ役員報酬もらえるのかも楽しみです。売上の8割くらいかな。
前田:もらい過ぎだろ。
──前田さんはイベントの話を聞いたとき、どう思いましたか?
前田:ラジオってニッチなコンテンツだといわれている中で、『マユリカのうなげろりん!! 』や『オードリーのオールナイトニッポン』など、イベントで人が集まる成功例が生まれていますよね。
今回の取り組みも、「J-WAVE、なんか面白いことやってんじゃん」って思えるひとつの施策になるんだろうなと思うので、人がたくさん集まると良いですよね。
──福留さんは先日、「まいにち福留」という企画で他の曜日にも出演されました。
福留:そうなんですよ!“ほしがり”なJ-WAVEさんなので、いっぱい出演させていただきました。前田さん聴いてくれました?
前田:聴いた聴いた。
福留:ほんまに?実は、他の曜日のナビゲーターとほとんど関わったことがなくて。加賀さんもエバースさんとも、ほぼ初めましてでした。曜日ごとにスタッフさんも違うので、不安な部分もあったんですけど。
前田:いやいや、初対面でも緊張しないんだなって思ったよ。
福留:でも水曜日に帰ってくると、知ってるスタッフしかいないんで、安心感半端ないですね。めちゃめちゃ安心します。
──番組を支えるスタッフの皆さんの存在も大きいですよね。
福留:めっちゃ大事だと思います!水曜日はめちゃめちゃ雰囲気が良いんで。スタッフさんもすごい優しい。みんなで喋ることも多いので、ラジオは雰囲気づくりがすごい大事やなって思いますね。みんなで作ってますから、ラジオは。これ赤字で書いてもらえますか?
──分かりました!
前田:絶対に赤字で書いといてくださいね。チェックしますよ(笑)

若い世代にもラジオの面白さを伝えたい
──改めて、番組イベントの見どころを教えてください。
福留:各曜日のナビゲーターが一堂に会することで、他の曜日のナビゲーターがどんな人なのか分かる機会だと思います。番組イベントで、「他の曜日も面白そうやな」と感じてもらって、ラジオで全部の曜日が一緒に伸びたらいいなと思いますね。これも赤字でお願いします!
前田:地上波ラジオの番組イベントという試み自体が、これまでほとんどない試みだと思います。ラジオ業界としても面白いイベントになるはずだし、見どころもすごく多いのではないかと思いますね。
福留:良い意味で文化祭っぽいイベントで、みんなでつくり上げていく感じがします。リスナーさんの意見を取り入れたり、リスナーさんにステージに立ってもらったり。「大人の文化祭やろうぜ」って感じですね。この際、「大人の文化祭」ってサブタイトルにしましょうか?
前田:……この反応みてよ。誰もピンときてない(笑)
──これから音声メディアを通じて、やってみたいことはありますか?
前田:僕は小学校、中学生と一緒に仕事をする機会があるんですけど、ラジオってあんまり面白いイメージがないみたいなんです。ニュースを流しているだけとか、緊急時の地震速報とか。でも実際にラジオを聴いてもらうと「すごく面白い!」って反応がある。そういう子たちに、ラジオを聴いてもらえるような施策ができたら良いなと思います。
福留:2時間という生放送のラジオで、エンディングのときに「2時間があっという間だった」とリスナーさんに言ってもらえることが多いんです。これからも、「今日もあっという間だった」と言ってもらえるように頑張りたいと思います。
──貴重なお話、ありがとうございました!
福留:ボケは全部使ってくださいね。
前田:赤字、チェックしますよ!(笑)
取材を振り返って
取材が始まった瞬間からマシンガントークが止まらない福留さんと、それに対して的確な合いの手を入れる前田さん。まるでラジオ番組を聴いているかのような軽快なトークに、つい仕事であることを忘れてしまいました。
福留さん、前田さんがお伝えしてくれた通り、7月13日(日)には『GURU GURU!』初の番組イベント「J-WAVE INSPIRE TOKYO 2025 supported by Expedia presents GURU GURU! POWER STAGE ~4曜日ではじめて一致団結するフェス(仮)~」がLINE CUBE SHIBUYAで開催されます。曜日替わりナビゲーターが集結する貴重な機会を、どうぞお見逃しなく!
(追記:福留さん、前田さん。大事なコメントは赤字で書いておきましたよ!)
撮影/結城 拓人
【番組概要】
放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:GURU GURU!
放送日時:毎週月曜~木曜 22:00~24:00
ナビゲーター:
MON/加賀翔(かが屋)
TUE/ダウ90000
WED/福留光帆・前田裕太(ティモンディ)
THU/エバース
番組YouTube:https://www.youtube.com/@GURUGURU_813
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/guruguru/
番組X:https://x.com/guruguru_813
番組IG:https://www.instagram.com/guru_guru_813/
【イベント概要】
タイトル:
J-WAVE INSPIRE TOKYO 2025 supported by Expedia presents GURU GURU! POWER STAGE ~4曜日ではじめて一致団結するフェス(仮)~
出演者:
加賀翔(かが屋)、ダウ90000、福留光帆・前田裕太(ティモンディ)、エバース、鈴木ジェロニモ
ライブ出演アーティスト:
IS:SUE
開催日:
2025年7月13日(日)
開場/開演:
OPEN 16:00 / START 17:00
料金(税込):
全席指定・税込 ¥8,500(マーケットコイン¥500分付き ※)
学生(U22)・税込 ¥6,900(マーケットコイン¥500分付き ※)
会場:
LINE CUBE SHIBUYA
オフィシャルサイト:
https://www.j-wave.co.jp/special/powerstage/
※マーケットコインは、同日・代々木公園で開催される「INSPIRE TOKYO 2025」の各ブースにて500円分のコインとしてご利用いただけます。なお、飲食をはじめ「GURU GURU! POWER STAGE」オリジナルグッズ等のご購入にもご使用いただけます。