米国のポッドキャスト配信大手Acastが公開したレポート「Podcast Pulse 2025」は、ポッドキャスターが単なるインフルエンサーではなく、リスナーとの深い信頼関係に基づき、大きな影響力を持っていることを明らかにしました。
本レポートは、この信頼関係こそが、ブランドのメッセージをリスナーに浸透させ、実際の商品購入などの具体的な行動を促す鍵になると結論付けています。

リスナーの信頼度、ポッドキャスターがジャーナリストに並ぶ
ポッドキャストのコンテンツ消費は、聴取者が意図的に再生ボタンを押す行動から始まるため、他のメディアと比べてリスナーの注目度(アテンション)が高くなることがわかりました。
- 信頼性:ポッドキャストは、他のメディアと比較して「偽りなく信頼できると感じる」「正直で公平な意見を提供している」「注目を集め、維持する」という3つの主要評価軸すべてで第1位。
- 一対一の感覚:聴取者の79%が、ポッドキャスターからのコンテンツ消費を「個人的な一対一の会話のように感じる」と回答。これはYouTuber(73%)やTikTokクリエイター(70%)を上回る。
- ポッドキャスターによる紹介の信頼度:商品やブランドの紹介に対する信頼度において、ポッドキャスターはジャーナリストと並び、最も信頼される情報源のトップにランクイン。
- ポッドキャスターの影響力:週に1回ポッドキャストを聴取する人の75%は、ポッドキャスターを「インフルエンサー」だと認識していないが、そのうち84%が「ポッドキャスターによって考えが変わった経験がある」と回答。

マルチプラットフォーム展開がファンとのつながりを強化
現代のポッドキャストクリエイターは、単に音声コンテンツを提供するだけでなく、オーディオ、動画、ソーシャルメディア、ライブイベント、グッズなど様々な方法で、収益化とリスナーとの繋がりを両立させる独自のビジネス基盤を作り上げています。
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- 消費チャネルの傾向:グローバル聴取者の約80%近くが音声と動画の両方を消費しているが、音声が主軸。
- 「主に音声だが時々動画も視聴」が40%
- 「音声と動画を同程度聴取/視聴」が27%
- クリエイターのフォロー傾向:ポッドキャストファンは、お気に入りのクリエイターが活動する場所ならどこでもフォローする傾向があり、特に若年層(18~34歳)でその傾向が顕著に見られる。
- ソーシャルメディアの影響:ソーシャルメディアでもポッドキャスターをフォローしているリスナーは、フォローしていないリスナーに比べ、以下の点で肯定的な変化が見られた。
- ホストへの親近感が深まる(67%)
- ブランドパートナーに気づきやすくなる(66%)
- 推奨をより信頼するようになる(66%)
- 消費チャネルの傾向:グローバル聴取者の約80%近くが音声と動画の両方を消費しているが、音声が主軸。

ポッドキャスト広告、他メディアより高い聴取率と購入経験率を記録
ポッドキャストの広告は、他のメディアに比べて広告の量が少なく、聴取者がより積極的に広告に耳を傾けるという特徴が明らかになりました。
- 広告の聴取傾向:ポッドキャスト広告を「半分以上」または「常に」聴取している消費者の割合は、オーディオポッドキャストで33%、ビデオポッドキャストで37%に上る。ケーブルテレビ(30%)やYouTube(29%)よりも高い傾向。
- 購入経験:グローバル聴取者の67%が、ポッドキャスターの紹介がきっかけで実際に商品を購入した経験があると回答。
- 最近の行動喚起:聴取者全体で60%、特に35歳から54歳の層では65%が、過去12ヶ月間にポッドキャスト関連の広告や紹介に影響を受けて商品を購入している。

今回の調査レポートは、ポッドキャストのメディアとしての信頼性と行動喚起力の高さを示す結果となっています。
Acastとは
Acastは、ポッドキャストの配信基盤の提供や、ポッドキャスト広告のネットワーク構築を主な事業としています。ポッドキャスターに対しては、番組の制作支援から収益化、リスナーとのエンゲージメントを高めるための技術を提供しています。一方で広告主に対しては、世界中のポッドキャスト番組へのターゲティング広告配信サービスを提供しています。広告はターゲティング型の動的挿入方式を採用しており、エピソード内容やリスナー特性に応じた広告を自動で組み込める点が特徴です。
参照元:Podcast Pulse 2025 | Acast



ポッドキャスターが自分に語りかけてくれているみたいで、自分事として響くんだよな〜。