日本民間放送連盟(JBA)は7月25日、「ラジオ番組エンゲージメントと広告効果に関する研究調査報告」を発表しました。調査結果から、リスナーの番組への熱中度(エンゲージメント)が高いほど、ラジオCMが強く記憶され、ブランドへの好意度や購買意欲が高まることが明らかになりました。
今回の調査結果は、デジタル音声広告が注目される現代において、ラジオが持つ独自の強みを改めて浮き彫りにしています。
ラジオCMが記憶に残る理由
報告書によると、番組へのエンゲージメントが高いリスナーは、そうでないリスナーに比べてラジオCMを「よく覚えている」と回答する割合が有意に高いことが判明しました。特に、ヒントなしに思い出す「純粋想起」の確率が高いことが示されています。
この結果は、リスナーが番組に深く没入している時、そこで流れる広告にも自然と注意が向き、記憶に定着しやすくなることを示唆しています。
ブランド好意度や行動意欲も向上
さらに、エンゲージメントが高いリスナーは、広告接触後のブランド好意度や利用意向だけでなく、ウェブサイト検索や商品購入といった具体的な行動への繋がりも顕著に向上することが明らかになりました。
つまり、リスナーが「面白い」「好きだ」と感じる質の高いコンテンツを提供することが、広告効果を最大化する鍵となるのです。
音声コンテンツと広告の未来
今回のJBAの調査は、音声広告の価値が単に多くの人に届けることだけでなく、「いかにリスナーを惹きつけるか」という質的な側面にあることを示しています。今後、音声コンテンツが多様化する中で、この「エンゲージメント」が広告の成功を左右する重要な指標となるでしょう。
JBAとは
一般社団法人日本民間放送連盟(JBA)は、日本の民間放送事業者が加盟する業界団体です。放送倫理の確立、放送技術の向上、番組内容の充実などを通じて、公共の福祉に貢献することを目指しています。また、民間放送の健全な発展を図るための調査研究、政策提言、広報活動なども行っています。
参照元:「ラジオ番組エンゲージメントと広告効果に関する研究」調査結果について
よく聴くCMって、記憶に残るよね。