※本記事は、タクト株式会社のnote「ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社」からの転載記事です。
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ずばり、小売店のBGM、「テンポの遅い音楽と速い音楽」、どちらがより売れるのでしょうか?
パチンコ屋さんで軍艦マーチを聞いて射幸心があおられるのとは少~し、違います。それはむしろ前回お話をした心理的「プライミング効果」ですね。軍艦マーチに限らず、そもそもマーチはこれから戦に参ろうという「行進曲」。しかも「前に歩く歩調」とも同期した曲のテンポで、当然の事、ヒトは「血が煮えたぎる」ような気分を呼び起こされ、ついついお金を使ってしまうというわけです。
更にわかりやすい例ですと、お花屋さんはどうでしょう?お花屋さんに行って、超重厚なズンズン地鳴りがするようなクラブやレイブで踊るような音楽が流れていたらどうでしょうか?
おもしろい実験があります(注1)。お花屋さんで①無音 ②ポップ音楽 ③ロマンティックな音楽を流し、お客様の購買行動を調査しました。結果は、③ロマンティックな音楽が流れていた時に購入する花の種類や本数が一番増えました。
言うまでもなく、ヒトは潜在的に「お花はロマンティックである」というイメージを持っているからこそ、アップテンポな曲やクラブで流れているようなズンズン・重厚ダンス・ミュージックよりも、ロマンティックな音楽で心を刺激をされ、購買行動の向上につながったと考えられます。逆に、アップテンポのレイブ音楽のようなものを流したら、お客様は自分が無意識に潜在意識の中でイメージしている「お花」との違和感を感じ、その場をなるべく早く立ち去りたい、と思い買い物を急ぐことになってしまいます。
ですから、年末商戦でクリスマス音楽を店内で流し、お客様により多くのクリスマス関連の商品をお買い求め頂きたい、というアレは科学的に正しいことなのです。
さて。最初の質問に戻ります。
「テンポの遅い音楽と速い音楽」、どちらが売れるのでしょうか?
答えは次号にて!
(注1)
Jacob, C.,Gueguen N., Boulbry, G. and Sami, S. (2009). “Love is in the air”: congruence between background music and goods in a florist. International Review of Retail, Distribution and Consumer Research, 19 (1), pp.75-79.
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