【ウェビナーレポート】関西エリアで若年層にリーチ!デジタルマーケティングד音”の100%活用術を徹底解説

本記事は、MBSラジオとオトナルにより共同で2025年5月に開催されたウェビナー「関西エリアで若年層にリーチ!デジタルマーケティングד音”の100%活用術〜ポッドキャストや短尺動画の音声マーケ最前線を解説〜」のレポートです。

【ウェビナーレポート】関西エリアで若年層にリーチ!デジタルマーケティングד音”の100%活用術を徹底解説

イベント紹介

〇イベント名称
関西エリアで若年層にリーチ!デジタルマーケティングד音”の100%活用術〜ポッドキャストや短尺動画の音声マーケ最前線を解説~
URL:https://otonal.co.jp/webinar/45592

〇開催概要
開催日時:2025年5月20日(火)13:00〜14:00
開催場所:オンライン開催
対象:広告主様、代理店様 他

〇プログラム
・第1部 国内外の若年層における音声コンテンツ活用の動向(オトナル)
・第2部 ラジオ局の視点から読み解く「ポッドキャスト」の可能性と今後の展望(MBSラジオ)
・第3部 ポッドキャストから短尺動画まで。企業が取り組むべき音声活用事例(オトナル)

〇登壇者
株式会社MBSラジオ
コンテンツデザイン局プロデュースセンター
西畑 風雅 氏

株式会社MBSラジオ
オーディオビジネス局
前川 聡太 氏

株式会社オトナル
代表取締役
八木 太亮 氏

Z世代と呼ばれる若年層にとって、音楽ストリーミングサービスや短尺動画、ポッドキャストといった「音声」のコンテンツは、身近なメディアとして浸透しています。

実際、”音”のあるメディアは若年層の利用率の高さがデータでも示されています。音声メディアは、通勤・通学時間に「ながら聴き」できるため、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する若年層にとって最適なメディアです。また、配信者やリスナーと“つながり”を感じられる点も、若年層が支持する大きな理由です。

音声コンテンツの中でも、近年ポッドキャストの利用率は着実に伸びています。日本国内におけるポッドキャストの月間利用率は17.2%に達しており、特に10代〜20代を中心としたZ世代の高い普及率が、市場拡大を後押ししています。*

*【オトナル・朝日新聞社調べ】

今回のウェビナーでは、MBSラジオとオトナルが主催となり、ポッドキャストや短尺動画を活用したデジタルマーケティングについて紹介します。

株式会社MBSラジオの西畑風雅氏と前川聡太氏、株式会社オトナルの八木太亮氏が登壇し、若年層にリーチする「デジタルマーケティングד音”」の100%活用術について徹底解説します。今後のデジタルマーケティング施策の参考にしてください。

現代社会における情報過多と音声メディアの可能性

平均的な集中持続時間はたったの8秒

現代社会において、人間の集中力は著しく低下しています。

マイクロソフトの調査によると、2000年には平均12秒だった集中持続時間は、2015年には8秒にまで短くなったそうです。これは金魚の集中力(9秒)を下回る水準で、モバイル革命とスマートフォンの普及が要因と考えられています。

別の調査では、1986年に比べてアメリカ人が1日あたり摂取する情報量は6倍も増えていることが示されました。常に情報に追われ、情報処理に負担を感じている人が多い昨今、企業をはじめ情報発信者は適切に情報を届けることが難しくなっています。

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音声メディアの特性と優位性

オトナル代表の八木氏は、「情報過多と集中力低下が進む現代において、音声メディアは他のメディアとは異なる特性と優位性を持っている」と断言します。

音声メディアは、原則として1対1のコミュニケーションであり、イヤホンを使用することで五感の一つである「聴覚」を占有することができます。実際、radikoやSpotifyの音声広告では、30秒CMの完全再生率が90%以上と極めて高い数値が出ています。

広告だけでなく、コンテンツとしても音声ならではの魅力があります。

象徴的だったのが、2024年11月に実施された米国大統領選挙です。選挙前にドナルド・トランプ氏は米国で最も聴取者の多い人気ポッドキャスト番組『The Joe Rogan Experience』に出演。3時間という“長尺”にもかかわらず、5,300万回という再生回数を記録し、トランプ氏への支持の広がりを後押ししました。

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タイパ重視の若年層は、「ながら聴き」と相性が良い

八木氏は、音声メディアの強みを「ながら聴き」にあるといいます。オトナルが朝日新聞社と調査したレポートによると、ポッドキャストユーザーの87%が、家事やランニング、移動中など、何かをし“ながら”音声コンテンツを聴いていることが示されました。

「ながら時間」は1日5時間以上あり、視覚を占有する動画メディアでは接触できない時間帯にもリーチできる点が、音声メディアの特徴なのです。

八木氏はレポートのデータを示しながら、「Z世代をはじめとする若年層は、音声メディアとの親和性が非常に高い」と説明します。若年層はタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向があり、ながら聴きできる音声メディアは非常に効率良く情報摂取できる方法といえるでしょう。

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若年層は定期的にSpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスを利用しています。これらのサービスはポッドキャストも提供しているため、自然な形で音声コンテンツに触れていることもうかがえます。

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ラジオ局が実践するポッドキャスト活用術

MBSラジオのポッドキャストリスナー属性とリーチ拡大

MBSラジオの前川氏は、ラジオとポッドキャストのリスナー属性の違いを指摘。関西圏にリスナーが限定されがちなラジオに比べ、ポッドキャストは全国で聴かれる傾向があるといいます。特に、東日本のリスナーが半数にのぼり、都道府県別にみても東京のリスナーが最も割合が大きいそうです。「地上波やradikoだけではカバーしきれないエリアのリスナーにもアプローチできる」と手応えを感じていました。

【ウェビナーレポート】関西エリアで若年層にリーチ!デジタルマーケティングד音”の100%活用術を徹底解説

MBSラジオのポッドキャストはお笑い番組が人気で、特に以下の番組が若年層の支持を集めています。

・『ラランドニシダの実家には帰らない』……約半数が20代以下
・『カベポスターのMBSヤングタウン』……30代以下の女性リスナーが多い&約5割が30代以下

これらの番組は地上波ラジオとも連携し、ポッドキャスト番組ではアフタートークを配信するなど、若年層に確実にリーチできるコンテンツになっています。

お笑い番組以外では、雑談系コンテンツなども若年層に支持されているといいます。文芸評論家の三宅香帆とライターの谷頭和希がパーソナリティを務める『こんな本、どうですか?』は男女半々、2〜30代によく聴かれているそうです。

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自社制作率95%をほこる、MBSラジオのポッドキャスト番組制作事例

MBSラジオは、95%という全国トップクラスの自社制作率をほこります。MBSラジオ西畑氏は、「高い制作力に裏打ちされたノウハウを活かし、リスナーの幅広いニーズに応える多様なコンテンツを日々つくっている」と胸を張りました。

西畑氏はMBSラジオのポッドキャスト番組制作において、以下の3点を「制作方法」として挙げました。

・地上波ラジオからポッドキャストへの切り出し
・若年層向けお笑いポッドキャスト番組の制作
・制作ノウハウを生かした、多様なオリジナルポッドキャスト番組の企画

またお笑いやニュース、雑談、ニッチな分野など、幅広いジャンルの番組を制作できるMBSラジオならではの強みにも言及しています。

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ポッドキャストを活用したマネタイズ事例

続いて前川氏は、ポッドキャストを活用したマネタイズについて紹介します。主なマネタイズの方法は2種類あり、

・ポッドキャスト広告配信
・クライアント1社提供のオリジナル番組の制作・配信

を挙げました。

ポッドキャスト広告配信には、ポッドキャストのエピソード内に挿入する「純広告CM」と、ポッドキャストの出演者がクライアントの情報を読み上げる「ホストリード」のふたつがあります。いずれもラジオと違い、インプレッション数(CMの再生回数)や再生単価で販売できる点が特徴です。また都道府県単位でのエリアターゲティングが可能なことも、地域限定で事業展開しているクライアントには重宝されるといいます。

クライアント1社提供のオリジナル番組の制作・配信は、その名の通り、クライアントが単独で提供するポッドキャスト番組です。企業や商品・サービスの認知拡大とともにブランディングに効果的です。Apple PodcastやSpotify、Amazon Musicなどでの配信に加え、地上波でのスポットCMや短尺動画、YouTube動画などデジタル展開も実施可能とのことです。

このようにMBSラジオは、広告配信とオリジナル番組制作・配信の二本柱で、ポッドキャストコンテンツのマネタイズを推進しています。

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企業が取り組むべき音声活用の成功事例とは?

音声活用戦略の全体像

企業が音声メディアを活用する際には、大きく分けて3つの方法があります。

  1. デジタル音声広告の出稿
  2. 音声コンテンツの配信(ポッドキャストなど)
  3. その他媒体での音声活用

八木氏は、デジタル音声広告の最大の利点として、「エリアターゲティング配信が可能である」点を挙げました。例えば関西を事業の重点エリアに設定している場合、関西地方に限定した広告配信は効率的です。また、ラジオ広告との連携も容易で、デジタルとラジオ双方での出稿や効果測定(ABテスト)も可能です。

スギ薬局の事例として、位置情報ターゲティングと日時連動クリエイティブを組み合わせたSpotify広告を紹介。このキャンペーンでは、来店コンバージョンとブランドリフトの向上に成功しました。特定の商圏に絞った効率的な広告配信が奏功した好事例です。

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音声コンテンツはマルチ展開&二次利用がしやすい

音声コンテンツの配信は、企業のオウンドメディアとしての活用が中心となります。エリアを限定せず、全国にリーチできる点が特徴です。またラジオ番組との連携や、既存コンテンツの切り出し配信など、柔軟な活用方法も魅力です。ポッドキャストとして配信されたコンテンツは資産として残り続けるため、長期的なブランディングや情報提供にも役立ちます。

また制作した音源を、動画コンテンツ(TikTok、Instagram Reelsなど)のBGMや広告として転用したり、店舗BGMとして活用したりする試みも増えています。資生堂の事例**では、楽曲CMを多様な音声広告枠に配信するだけでなく、動画コンテンツのBGMや店頭BGMとしても活用しました。購入意向や好意度を高く引き出すことに成功しました。

**参照:アドタイ|Spotify広告のテレビCMを上回る効果! 資生堂が築いた若年層とのポジティブなつながり

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短尺動画とVTuberを活用した音声戦略事例

TikTokやYouTubeショート、Instagram Reelsなどの短尺動画は、特に若年層へのリーチに非常に効果的です。すかいらーくホールディングスの「しゃぶ葉」では、楽曲CMを制作し、TikTokなどのSNSで展開しました。

さらに「しゃぶ葉」では、この楽曲CMをVTuberとのコラボレーションにも応用。人気VTuberがオリジナル楽曲を歌い、Xなどで展開したところ、楽曲が公開される前の「予告」投稿だけで171万インプレッションを記録し、5,800件のリポストを獲得しました。本投稿後も高いインプレッションを維持し、来店者数増加にもつながりました。

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