スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?

「日本一ワクワクする菓子屋」を目指し、生活者を笑顔にする商品や企画を次々に生み出している有楽製菓株式会社。同社の主力商品「ブラックサンダー」は2024年9月に発売30周年を迎え、節目を祝うキャンペーン「30の楽雷(らくらい)」が1年間を通じて実施されています。

キャンペーンのひとつである「#織田信長のザクザク音」では、同社自らオリジナルAIの開発に着手。100人のザクザク音と顔写真をAIに学習させ、「ブラックサンダーザクザクAI」をつくり、ショート動画および音声広告として公開しています。

ユニークな発想と技術で、生活者を常にワクワクさせる有楽製菓のこだわりについて、有楽製菓株式会社担当者様と、今回制作を担当された博報堂クリエイティブディレクター荻原さんにお話を伺いました。

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?
引用元:3月9日、「ザク」に掛けた「ザクザク」企画!もしあの偉人がブラックサンダーを食べたらどんなザクザク音がするだろうか?「#織田信長のザクザク音」を再現!

有楽製菓の「#織田信長のザクザク音」キャンペーンが発案された経緯とは?

ブラックサンダー発売30周年を記念したキャンペーンのひとつ「#織田信長のザクザク音」。本記事では、有楽製菓株式会社担当者様と今回制作を担当された博報堂クリエイティブディレクター荻原さんに、本施策の詳細を伺っていきます。

キャンペーン施策:有楽製菓の「#織田信長のザクザク音」

  • 広告主:有楽製菓株式会社
  • キャンペーン名:#織田信長のザクザク音
  • 広告会社:株式会社博報堂
  • 広告担当者:荻原海里(株式会社博報堂、クリエイティブディレクター)

ブラックサンダー発売30周年を記念した特別企画

──まずは「ブラックサンダー」という商品の特徴について伺えますか?

有楽製菓:ブラックサンダーは、プレーンビスケットとココアクッキーをチョコレートで混ぜ合わせた「圧倒的ザクザク感」が特長のお菓子です。ビスケット類は自社で製造しており、心地よいザクザク感を、お子様からご年配の方まで幅広くお楽しみいただいています。

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?

──ブラックサンダーは、2024年9月に発売30周年を迎えました。「#織田信長のザクザク音」の他にも、様々なキャンペーンが実施されていますね。

有楽製菓:商品名にかけて、「イナズマ級に楽しい企画を1年間で30個お届けする」というコンセプトのもと、様々な企画を実施してきました。

例えばバレンタインデーのタイミングでは、ブラックサンダーを全長5m超の巨大BOXからつかみどりできるイベント「ブラックサンダーつかみドリーム」を原宿で開催しました。1回あたりの参加費は、ブラックサンダーと同じ40円。14種類あるブラックサンダーシリーズの商品を、自分の手でつかみどりできるという企画です。大きな反響がありました。

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?

「#織田信長のザクザク音」は、語呂合わせで「ザク」と読める3月9日に、ブラックサンダーのザクザク食感を届ける施策として実施しています。

──ここからは「#織田信長のザクザク音」を担当された、博報堂クリエイティブディレクター荻原さんにお話を伺います。なぜ織田信長だったのでしょうか?

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?|博報堂クリエイティブディレクター荻原さん

荻原:実は織田信長は、甘いもの好きとして知られているんです。干し柿を好んで食べていたことや、イエズス会の宣教師から献上された金平糖や有平糖、バナナを好んでいたことなど、様々なエピソードが伝えられています。

そんな“稀代の甘党”であるスイーツ男子・織田信長が、「ブラックサンダーを食べたらどんなザクザク音がするだろうか?」と考え、信長のザクザク音をオリジナルAIを使って再現することにしました。

最新技術であるAIに遊び心を盛り込んだら

──企画を発案された経緯について、もう少し詳しく教えてください。

荻原:商品の魅力であるザクザクとした食感を伝える際に、最も効果的なのは「咀嚼音」ではないかと思いました。そこで、ブラックサンダーを食べたときの音を「ザクザク音」と呼び、その音をどのように世の中に届けたら楽しんでもらえるかを考え、本企画に行きつきました。

キャンペーン「30の楽雷」は、様々な切り口でブラックサンダーの魅力を伝えていくのが肝の企画です。「#織田信長のザクザク音」は、AIという最新技術にブラックサンダーらしい遊び心を盛り込んだら、どんなワクワクが生まれるだろうかという視点で企画しています。

──クリエイティブのこだわりについて教えてください。

荻原:なんといっても、この施策のためにオリジナルのAIを開発したことです。100人分のザクザク音と顔写真を学習させたオリジナルAI「ブラックサンダーザクザクAI」を開発しました。完成したザクザク音は、口腔分野に精通している歯科医師にも共有し、専門的な見地からのコメントもいただきました。

遊び心の中にも真剣さやこだわりを追求するのが「ブラックサンダーらしさ」です。そんな経緯もあり、音声広告(Spotify広告)および映像広告のクリエイティブも、ブラックサンダーらしさを企画の細部にまで反映させたものだといえるでしょう。

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?
引用元:3月9日、「ザク」に掛けた「ザクザク」企画!もしあの偉人がブラックサンダーを食べたらどんなザクザク音がするだろうか?「#織田信長のザクザク音」を再現!

ブラックサンダーと音声メディアの親和性の高さ

──広告施策の効果や、実施後の反響について教えてください。

荻原:ブラックサンダーとオリジナルAIという突飛な組み合わせがウケて、SNS上でも「面白い!」とポジティブな反応が多くみられましたね。

また、通常の新商品発売のプレスリリースでは取り上げられることがないゲームジャンルなどのWebメディアにも取り上げていただくことができました。

スイーツ男子・織田信長を「音声広告×オリジナルAI」で再現。ブラックサンダー発売30周年記念キャンペーン「#織田信長のザクザク音」が生まれた経緯とは?

──音声施策において、萩原さんが挑戦したいこと、今後実施したいことを教えてください。

荻原:情報量の少ない音声CMだからこそ、再現された織田信長の存在をより想像力を持って感じてもらえたように思います。音声CMはユーザーのイメージを膨らませる企画に強いことを改めて感じました。

ブラックサンダー発売30周年の企画は8月まで続いていきます。ブラックサンダーを愛する、幅広い世代の方々に楽しんでいただける企画を用意しています。これからもずっとワクワクする企画をお届けできればと思っています。

取材を振り返って

有楽製菓株式会社の「#織田信長のザクザク音」は、“世界初のオリジナルAI開発”という、類を見ないユニークなキャンペーンとして注目されました。

キャンペーンが好評だったのは、長年愛された「ブラックサンダー」の商品力に加え、商品にかかわる方々の企画力・実行力が結実したからだといえるでしょう。「お客様をワクワクさせたい」という、有楽製菓のカルチャーも伝わってきます。

原稿を執筆しながら織田信長の“咀嚼音”を聴いていると、不思議なことにブラックサンダーを食べたくなってきます。「音声」だからこそ伝えられるシズル感を、非常に実感するキャンペーンだと思います。