印鑑や事務用品を展開するシヤチハタは、音響認識技術を活用した「Shachihata Media Tag」β版の提供を9月1日から開始します。動画や音声コンテンツの真正性を可視化するソリューションとして、デジタル空間におけるコンテンツの信頼性向上に貢献します。

偽情報対策として音響認識技術を活用
シヤチハタが提供する「Shachihata Media Tag」は、エヴィクサーと共同開発した音響認識技術を基盤とするソリューションです。創業以来掲げてきた「しるしの価値」をデジタル空間に拡張し、動画や音声の真正性を証明する仕組みとして展開します。
本ソリューションでは、動画や音声の音声部分に人間の耳では聞こえない音響透かしを埋め込み、マスターコンテンツとして登録します。検証時には特徴点照合と音響透かしの二重チェックを行い、改ざんや編集の有無を高精度に判定することが可能です。
採択実績と今後の展開
「Shachihata Media Tag」の技術は、総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」に2年連続で採択された実績があります。近年は生成AIの普及や編集技術の高度化により、偽情報やなりすましのリスクが高まっており、こうした課題への対応を目的に開発されました。
β版では、マスター用コンテンツを登録すると音響透かしが自動的に埋め込まれ、ブラウザ画面から改ざんの有無や透かしの状態を確認できます。なお、本格提供は2026年1月を予定しています。
音響認識技術とは
音響認識技術は、音声データに含まれる特徴的な波形やパターンを解析し、特定の音や信号を識別する技術です。音声の中に人間の耳では聞き取れない「音響透かし」を埋め込み、それを検出することでコンテンツの真正性や改ざんの有無を確認できます。音楽や映像の著作権管理、放送・配信のモニタリング、偽情報対策など幅広い分野で活用され、デジタルコンテンツの信頼性向上に貢献します。
参照元:シヤチハタがデジタル空間におけるコンテンツの信頼性向上を支援 音響認識技術を活用した新ソリューション 「Shachihata Media Tag(シヤチハタ メディア タグ)」β版提供開始
音の世界にも証明を持ち込めるのね。