米国の音声AIスタートアップであるElevenLabs(イレブンラボ)が、音楽生成AI「Eleven Music」をリリースしました。
自分の理想の音楽を簡単に生成
ElevenLabsは2022年に設立された音声AI企業です。近年は効果音などを生成できるAIモデル「Text to Sound Effects」や70以上の言語に対応したTTSモデル「Eleven v3(alpha)」を開発するなど、音声AI業界において存在感を高めています。
今回ElevenLabsが発表した「Eleven Music」は、自然言語プロンプトによって音楽を生成できるAIモデルです。様々な音楽ジャンルやスタイルに対応しており、ボーカルの有無や言語を選択することができます。ElevenLabsは今後、自社の対話型AIプラットフォームにEleven Musicを組み込む予定です。
Eleven MusicはElevenLabsのWebサイトから利用できます。

本モデルのリリースに関して、ElevenLabsの共同創業者でCEOのマティ・スタニシェフスキ氏は、次のように述べています。
音声AI企業として、音楽領域への拡大は自然なことであり、Eleven Musicが導入されることにワクワクしています。私たちのユーザーの間で音楽生成AIへの期待が高まっていることを感じ、その期待に応えるプロダクトを作ろうと努力してきました。そしてこのたび、AIが音楽に革命と利益をもたらすと確信している企業との協業を決定しました。
音楽企業メルリン、コバルトと提携
デジタル音楽ライセンスの権利代理団体のメルリンと、世界最大の独立系音楽パブリッシャーであるコバルトと提携しました。メルリンやコバルトと提携することで、彼らが抱えるプロのアーティストや作曲家がEleven Music Proの開発に参加できるようになりました。
これについて、メルリンのCEOであるジェレミー・シロタ氏は次のようなコメントを寄せています。
ElevenLabsとの提携を非常に嬉しく思います。AIが音楽業界に大きな変化と新たな課題をもたらす中で、音楽が持つ素晴らしい文化的価値を尊重するパートナーと協力することは、私たちの使命だと考えています。今回の提携は、音楽著作権者がAI企業と未来を見据えながら、健全な契約を結べることを証明しています。私たちはElevenLabsと協力し、AI企業と音楽著作権者が共にどう歩んでいくべきか、責任あるガイドラインを策定しました。今後、Eleven Music Proの立ち上げに向けて共に取り組んでいきたいと思います。
ElevenLabs(イレブンラボ)とは
ElevenLabsは、2022年に設立された米国・英国拠点の音声AI企業で、高精度な音声合成(TTS)および音声複製技術を提供しています。特徴は、自然で感情表現に優れた音声の生成と、多言語対応、音声吹き替え、音声分離などの機能です。同社の技術はコンテンツ制作、教育、メディアなど多分野で活用されており、2024年時点で評価額は30億ドル超と急成長を遂げています。著作権や倫理面への対応も進められています。
参照元:ElevenLabs Launches Eleven Music in Collaboration with Music Industry Partners
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