NTTソノリティは、新ブランド「cocoe」と第一弾製品となる世界初のオープンイヤー型集音器「cocoe Ear」を発表しました。聞こえづらさに寄り添う新しい音響体験を提供することを目指し、12月23日からクラウドファンディングを開始します。

cocoe Earが採用するオープンイヤー型集音器
NTTソノリティが発表した「cocoe Ear」は、耳をふさがずに音を補うオープンイヤー型の集音器です。従来の耳穴をふさぐ集音器とは異なり、閉塞感や圧迫による不快さ、自分の声のこもりが生じにくい軽量で開放的なデザインが特徴とされています。耳をふさがないことで、本来聞こえる音をそのまま耳に届けながら、不足分をデバイス側で増幅して補う仕組みです。
本体は片耳約10gと軽量で、一般的なメガネよりも軽い設計です。耳にかけるだけで起動し、ボタン一つで集音機能のオン・オフや集音モードとワイヤレスイヤホンモードの切り替えができます。会話や家族との団らん、レッスン、打ち合わせに加え、音楽・動画・テレビなど、さまざまなシーンで一台を使い回せることが想定されています。
また、耳元だけに音を閉じ込めるNTTの特許技術「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」を搭載し、音の“打ち消し距離”を制御することで耳元だけに音を閉じ込める設計になっています。高性能チップによる音処理により、ハウリングを抑えつつ、音漏れを抑えながら自然な聞こえと装着感の両立を図っていると説明されています。

聞こえづらさを抱える人の日常利用を意識したブランド設計
新ブランド「cocoe」は、加齢や生活環境によって生じる“聞こえづらさ”に寄り添い、誰もが自分らしく会話や音を楽しめる社会の実現をめざして立ち上げられたブランドです。日本では約1,430万人が“聞こえ”に課題を抱えているとされ、聞こえづらさが認知症リスクや社会的孤立など、生活の質(QOL)に関わる社会課題につながるとしています。
ブランドの開発にあたっては、50~70代を中心としたユーザーへのインタビューや実証テストを重ね、装着感や聞こえ方の自然さ、操作性といった「日常に心地よく寄り添う」点を追求したと説明されています。
本製品は医療機器認証を取得した機器(補聴器)ではなく、聞こえ方には個人差があることが明記されています。

専用アプリ「cocoe Connect」とテレビ用トランスミッター「cocoe Link」
専用アプリ「cocoe Connect」は、スマートフォンの操作が苦手な人でも迷いにくいシンプルで直感的な画面設計とされており、アプリ上で「集音モード」と「TVモード」の切り替えや、音量・音質などの調整が行えるようになっています。

テレビ用Auracast™トランスミッター「cocoe Link」と組み合わせることで、装着してボタンを押すだけでテレビ音声を無線で受信し、自分にあった音量で楽しめる構成が案内されています。1台で複数の「cocoe Ear」に同時送信でき、家族それぞれが快適な音量で同じ番組を視聴できる点も特徴とされています。

店頭体験の実施やクラウドファンディングの開始
cocoe Earは、2025年12月23日からクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」でプロジェクトを開始します。プロジェクト期間は2025年12月23日〜2026年2月15日までで、リターン例として「cocoe Ear」を最大30%OFFで提供するプランが案内されています。
また、「蔦屋家電+」やSHIBUYA TSUTAYA、福岡天神 蔦屋書店などの店舗で製品展示が行われ、来店者が実際に試せる場が用意される予定です。さらに、ドコモ・ハーティスタイル活動の一環として、ドコモショップ丸の内店、札幌店、六本松店などで店頭応対トライアルを実施し、ショップスタッフとのコミュニケーションの中で「cocoe Ear」を体験できる取り組みも行われます。
NTTソノリティは、「cocoe」をNTTの音響技術を活用したブランドとして位置づけ、クラウドファンディングや店舗での体験機会、ドコモとの連携施策を通じて、“聞こえ”に課題を抱える人が自分に合った聞こえ方を試せる環境づくりを進めるとしています。
PSZとは
PSZ(Personalized Sound Zone/パーソナライズドサウンドゾーン)は、NTTが開発した音響制御技術で、特定の地点にだけ音を届ける“音のスポットライト”のような仕組みです。音に逆位相の信号を重ねて不要な方向へ広がる音を打ち消し、耳元だけに音を閉じ込めることで、音漏れやハウリングを抑えながら聞き取りやすさを向上させます。この技術により、周囲に配慮しながら自然な音を楽しめる環境をつくることが可能になります。
参照元:NTTグループ発、新しい”聞こえ”で毎日を高めるブランド「cocoe(ココエ)」誕生。世界初※1オープンイヤー型集音器が2025年12月23日(火)よりクラウドファンディング開始。



テレビの音量戦争が家庭から消える日、まじで近いかもしれない。