米国のAuddiaは2025年3月20日、音声アプリ「faidr(フェイダー)」に新AIモデルを導入すると発表しました。FMラジオに含まれる“音楽以外”のコンテンツ(広告、トークなど)をリアルタイムで検出・除去する新アルゴリズムが搭載されています。

広告もトークも“聴かない”選択肢が、FMラジオに登場
Auddiaが今回導入した「Binary AI model(バイナリーAIモデル)」は、広告やトークなど、FMラジオに含まれる音楽以外のコンテンツをリアルタイムで検出・除去する新アルゴリズムです。アプリ内でラジオ局を選ぶだけで、広告がスキップされ、まるでプレイリストを聴いているかのような体験が実現します。
この機能はfaidrの有料会員限定で提供され、新たに設けられた「ラジオプリファレンス」設定により、ユーザーはDJトークや広告の有無を自由に選択できます。リスナーは、これまでのように受け身で放送を聴くのではなく、自らのリスニングスタイルに応じて体験をカスタマイズできます。
従来の広告ブロックとは異なり、リアルタイムで音声を分析し、音楽とそれ以外を“二分する”このAIモデルは、faidrにおける音声UXを根本から変える存在といえます。
リスナー主体のUX設計へ
Auddiaが提唱するビジョン「Make radio yours(ラジオを、あなたのものに)」は、今回のアップデートで大きく前進しました。faidrでは現在、以下のような“音声体験のパーソナライズ”が可能です。
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DJトークを含める/含めないを選択
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好みのFM局を選び、広告なしで再生
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曲名・アーティスト表示、トラック単位でのスキップ機能
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アプリ画面上で操作性の高い音声インターフェースを提供
広告とDJトークをスキップできるという機能は、リスナーにとっては歓迎される一方、広告主や放送局にとっては新たな課題でもあります。ラジオ業界は広告収益モデルに大きく依存しており、AIによる“選べる音声UX”が普及すれば、従来の一律配信型広告の再構築が求められるでしょう。
今後、日本国内の音声配信アプリにもこうした“選べるラジオ体験”の波が押し寄せる可能性があり、Auddiaの動きには引き続き注目が集まりそうです。
faidrとは
faidr(フェイダー)は、米Auddia社が提供する音声ストリーミングアプリで、FMラジオやポッドキャスト、プレイリストを一つのプラットフォームで楽しめることが特徴です。ユーザーは好みのFM局を選んで再生できるほか、独自キュレーターによるプレイリストや新進アーティストの紹介など、多彩な音声コンテンツにアクセスできます。ポッドキャストでは広告ブロックやスキップ機能にも対応しており、シームレスでパーソナライズされたリスニング体験を実現します。
参照元:Auddia Announces Addition of New AI Model in its faidr Mobile Application
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