医療スタートアップのTXP Medicalは、6月16日に国立成育医療研究センターにて、生成AI音声入力アプリの実証トライアルを開始したと発表しました。

医師や看護師の発話内容を記録文書として自動変換
TXP Medicalが開発を進める本アプリは、医師や看護師の発話内容を記録文書として自動変換する音声入力支援システムです。国立成育医療研究センターにおいて、患者との診療を通じたトライアルが始まりました。
この取り組みは、厚生労働省のSBIR(Small Business Innovation Research)制度のもと実施されており、医療現場のニーズに即した生成AI技術の社会実装を目指しています。
生成AI音声入力アプリの特徴
今回トライアルが始まった生成AI音声入力アプリには、以下のような特徴があります。
- 音声での記録入力に対応し、身体的・精神的な負荷を軽減する設計
- 看護師・医師が設計に関与し、業務フローに沿ったUI/UXを実装
- 小児・周産期医療の専門性に対応し、記録精度と実用性を両立
- セキュリティ要件を踏まえ、オンプレミス環境への対応も想定
また、PoC(概念実証)段階から継続的に現場フィードバックを取り入れ、改良を重ねていることも特徴のひとつです。
医療の現場完結を目指すDX基盤へ
国立成育医療研究センターの笠原群生院長は、次のようにコメントしています。
生成AI音声入力アプリが医療現場に実装されれば、従来膨大な時間を要していたカルテ入力の負担を大きく軽減できると期待しています。これは、医師が患者さん一人ひとりに向き合う時間を増やし、“より優しい医療”にもつながると考えています。
今後TXP Medicalは、SBIR実証医療機関との連携を通じて、機能強化および実証の拡大を進め、診療記録業務の効率化を大きく前進させる新たな医療DX基盤の構築を目指すとしています。
TXP Medicalとは
TXP Medical(ティーエックスピーメディカル)は、救急医療を中心とした臨床現場の課題解決を目指す医療系スタートアップです。医療データの構造化や電子カルテ連携、現場業務の効率化を支援するソリューションを提供しており、医療現場に寄り添ったテクノロジーの実装を強みとしています。
参照元:国立成育医療研究センターにて、生成AI音声入力アプリ のトライアルを開始
医療の世界でも“話すだけでOK”がリアルになってきたね。