[科学で考えるソニックマーケティング]第31回:サウンドロゴを知財にしてみませんか?

※本記事は、タクト株式会社のnote「ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社」からの転載記事です。

[科学で考えるソニックマーケティング]第31回:サウンドロゴを知財にしてみませんか?

サウンドロゴでブランドイメージを統一

ノーベル製菓さんの飴。商品に合わせてCMの雰囲気やカラーは多彩。でもどんなCMであっても、常に、おなじみのサウンドロゴ「🎵ノーベル!」が使われています。

かわいらしい蜂蜜きんかんのど飴でも最後に「🎵ノーベル!」

マッチョな男梅でも最後に「🎵ノーベル!」

サウンドロゴには製品名ではなく社名を入れるのが鉄則!そして、毎回いつも、同じサウンドロゴをすべての音声広告で使うことでブランドイメージを統一し、視聴者からの信頼と共感・親密さを醸成することができます。サウンドロゴによって消費者の感情をうまく引き出し、顧客との感情的つながりを生み出すことができるのです。ノーベル製菓さんはこのサウンドロゴ活用の鉄則を実践し最大限に活用されていると言えます。すなわち、音商標を含む知財・無形資産の有効活用を極めて効率よく実践されておられる、と言えるでしょう。

サウンドロゴは科学的にデザインを

お話は変わり、「ゴホン!といえば龍角散。」

このフレーズは、ノーベル製菓さんのサウンドロゴ「🎵ノーベル」負けず劣らず、視聴者の記憶に残るキャッチフレーズ。

ところが、「ゴホン!といえば龍角散。」にはメロディがなく、サウンドロゴになっていませんね。もし、「ゴホン!といえば龍角散。」をメロディーにしたらどうでしょうか?サウンドロゴを科学的にデザインしてみるのです。周波数解析・感情指数の分析を行い、音楽理論と音が人の行動・心理に及ぼす影響を考慮し、サウンドロゴを設計し、すべての音声広告に利用すると・・・。

有名なキャッチフレーズがただ漫然とお客様の頭に残るだけではなく、お客様とブランドの間に特別な心のつながりを生むことができます。例えば、ディズニー映画の冒頭に流れる「星に願いを」のように。

株式会社龍角散の藤井社長はフルート奏者でいらっしゃるとのこと。たとえば、フルートの高音は爽快感また音色は癒しやストレス低減を感じることができます。ゆったりとしたテンポのサウンドロゴであれば、さらに穏やかなリラックス効果をもたらすこともできます。またフルートのフラッタータンギング奏法やハーモニクス奏法は高次倍音を更に強調しますから、それらのもたらすより深いリラックス感やクリア感をサウンドロゴにプラスすることも可能になるでしょう。

このように、フルートの音色を使ったメロディでサウンドロゴ「ゴホン!といえば龍角散。」を科学的に設計すれば、「喉がすっきりとさわやか、爽快になる」といった龍角散の効能を音でも表現することが可能となるでしょう。

自社製品の特徴を表現する音=サウンドロゴは会社の大切な知財ともなるというわけですね!

本記事は、タクト株式会社のnoteからの転載記事です。
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タクト株式会社 代表取締役社長であり、音楽芸術博士であるミテイラー千穂氏の著書『サウンドパワー わたしたちは、いつのまにか「音」に誘導されている!?』では、「音」と私たちの生活の様々な繋がりや、ビジネスをアップデートするための「サウンド」の重要性などが語られています。

マクドナルドのソニック・ブランディング「i’m lovin’ it」から低周波音による健康被害、音による味覚の変化まで、日常のあらゆる場面で音が私たちに与える影響などを具体例を交えて紹介されています。