ポッドキャスト配信大手のAcastは、広告プラットフォームMagniteと提携し、ポッドキャスト広告のプログラマティック取引をグローバルで拡大すると発表しました。広告主はMagniteのプラットフォーム上で、CTVや動画と統合したオムニチャネルキャンペーンを一元的に管理できるようになります。

グローバル規模の広告在庫をMagniteに統合
AcastとMagniteの提携により、広告主はポッドキャスト広告をコネクテッドTVやオンライン動画と組み合わせて、統合的なキャンペーンを実行できるようになります。今回の提携では、Acastが配信する14万以上のポッドキャスト番組(四半期に10億回以上再生)という膨大な広告在庫が、Magniteのプラットフォームに統合されます。これにより、広告主は他のデジタル動画フォーマットと同様に、ポッドキャスト広告を一元管理することが可能になります。
広告主は、プログラマティック保証取引(Programmatic Guaranteed)、プライベートマーケットプレイス(PMP)、オープンオークションなど、複数の購入方式から自由に選ぶことができます。これにより、広告枠を確実に確保したい場合から、競争入札で効率的に広告を出したい場合まで、目的に応じた戦略的な広告出稿が可能になります。
Acastのアドテクノロジー&プログラマティック担当バイスプレジデント、マイケル・ベイストン氏は次のように述べています。
広告主は、ポッドキャストを他のメディアと同じように計画・実行できるようになるため、ブランド全体で一貫したキャンペーン運用が可能になります。Magniteを通じて、当社の高品質なポッドキャスト広告在庫を提供することで、メディアバイヤーはオーディエンスに的確にリーチでき、同時にクリエイターにも新しい収益の機会を提供します。
広がる音声広告市場
Magniteの収益戦略担当バイスプレジデント、マット・シュミット氏は「2025年に、グローバルでポッドキャストリスナーが5億人を超える見通しだ」と述べ、音声広告市場の拡大を強調しました。さらに以下のように述べています。
Acastとの提携により、私たちはどこにいてもポッドキャストを聴いているリスナーに対し、質の高い広告枠を提供できるようになります。この提携は、広告バイヤーのオムニチャネル戦略をより効率的にし、パブリッシャーへの広告投資をさらに増やすことにもつながるでしょう。
Acastは今回の提携を通じて、パートナーであるポッドキャスターに対し、より多くの広告収入機会を提供することを目指しています。これにより、ポッドキャスターは活動を継続・拡大するための新たな収益源を確保できる見込みです。
プログラマティック広告とは
プログラマティック広告は、広告の買付や配信を自動化した仕組みのことを指します。従来のように人手で広告枠を交渉・購入するのではなく、システムを通じてリアルタイムに最適な広告を入札・配信できる点が特徴です。これにより、広告主は効率的にターゲットへリーチでき、媒体側も在庫を有効に活用できます。
参照元:Acast and Magnite Partner to Expand Programmatic Podcast Advertising at Global Scale
クリエイターにとって収益の選択肢が広がるのはよいこと。