米国最大のラジオ企業であるiHeartMediaが、2025年第2四半期決算を発表しました。ポッドキャスト収益が前年同期比28.5%増と大きく伸びるなど、ポッドキャストを中心としたデジタル収益が全体の業績を押し上げています。

キャッシュフローは小幅のプラスにとどまる
iHeartMediaの2025年第2四半期売上高は9億3,400万ドルで、前年同期比0.5%の増加となりました。政治広告収入の影響を除いた場合、売上高は1.5%の増加となり、実質的な収益改善が確認できます。営業利益は3,540万ドルの黒字に転じ、前年同期の9億1,000万ドルの赤字から大きく改善しました。調整後EBITDA(利息・税金・減価償却費を除いた利益の調整値)は1億5,610万ドルで、前年同期比3.9%増となりました。
一方で、営業活動によるキャッシュフローは680万ドルと小幅のプラスにとどまり、フリーキャッシュフローは1,317万ドルのマイナスを計上しました。現金残高は2億3,600万ドル、総流動性は5億2,700万ドルと報告されています。
Q2 Revenue of $934 million, up 0.5% (Excluding Q2 Political Revenue, Q2 Revenue up 1.5%)
GAAP Operating income of $35 million, compared to a GAAP Operating loss of $910 million in Q2 2024
Consolidated Adjusted EBITDA of $156 million, compared to $150 million in Q2 2024, up 3.9%
Cash provided by operating activities of $7 million
Free Cash Flow of ($13) million
Cash balance and total available liquidity 2 of $236 million and $527 million, respectively, as of June 30, 2025
デジタルオーディオが成長を牽引
部門別では、デジタルオーディオグループの売上が3億2,380万ドルと前年同期比13.4%増を記録しました。特にポッドキャスト収益は1億3,430万ドルに達し、グループ全体の成長を牽引しました。ポッドキャストを除いたデジタル広告も4.7%増加しており、全体としてデジタル領域が成長を主導しました。
利益面でもデジタル部門は調整後EBITDAで1億760万ドルを稼ぎ出し、その利益率は33.2%に達しました。
iHeartMediaは、第3四半期について、売上が低い一桁台の減少となる一方、政治広告収入を除けば小幅に増加すると予想しており、調整後EBITDAを1億8,000万ドルから2億2,000万ドルの範囲と見込んでいます。

iHeartMediaとは
iHeartMediaは、アメリカ最大規模のオーディオメディア企業で、全米850以上のラジオ局を運営し、ポッドキャストやデジタル配信など幅広い音声サービスを展開しています。月間で約9割のアメリカ人にリーチするとされ、放送ラジオからデジタルオーディオまでを網羅する強力なネットワークを有しています。広告事業やデータ分析基盤も持ち、音声マーケティング市場において大きな影響力を持つ存在です。
参照元:iHeartMedia, Inc. Reports Results for 2025 Second Quarter
ポッドキャスト収益、前年同期比28.5%増ってすごい。