オーストラリアのポッドキャスト聴取に関する年次調査「PodPoll 25」が発表されました。調査結果から、オーストラリアの25~34歳のうち69%が毎月ポッドキャストを聴取しており、ミレニアル世代とZ世代の関心は依然として高いことが分かりました。

ミレニアル世代・Z世代がトップを維持、ブルーカラー層で聴取が急増
この調査は、ポッドキャスト制作会社Deadset Studiosと市場調査機関のInsightfullyが実施しました。
ミレニアル世代とZ世代の聴取が堅調な中、ブルーカラー層が新たな牽引役として急速にリスナー数を伸ばしています。Deadset Studiosのケリー・リオーダン氏は、若いリスナーの継続的な成長に加え、ブルーカラー層のポッドキャスト利用増加に注目。実際、ブルーカラー層全体で週に5~9エピソードを聴く人の割合は7%増加しました。特にスポーツ系のポッドキャストが好まれ、コメディや健康・ウェルビーイング関連の番組もよく聴かれています。

「ラジオ利用」でYouTubeが台頭。Apple Podcastはシェア低下に
ポッドキャストを聴くプラットフォームの利用動向も大きく変化しています。
Spotifyは58%で横ばいを維持し、依然として主要なプラットフォームであることが分かりました。その一方でApple Podcastのシェアは、昨年の28%から20%まで低下しました。
成長著しいのはYouTubeの聴取率です。こちらはこの1年間で30%から44%へと伸長しました。この増加について、Insightfullyのリアン・ホワイト氏は、YouTubeでの視聴が必ずしも動画を見ているとは限らないと分析しています。多くのリスナーはYouTubeをラジオのように使い、検索機能でエピソードを見つけて音声だけを楽しんでいると語ります。

聴取者総数は960万人に到達、人気ジャンルは多様化
ポッドキャストの総聴取者数は前年比7%増の960万人(15歳以上のオーストラリア人)に達し、月間リスナー数が1000万人に迫る勢いをみせています。また、毎日ポッドキャストを聴取する人の数も280万人に増加しました。
ジャンル別では、コメディとニュース/時事問題がともに29%で1番人気があり、犯罪ジャンルが28%で第3位と続きます。第4位の健康・ウェルネス(27%)、第5位のスポーツ(26%)も、それぞれ聴取率が上昇傾向にあります。

エピソードの長さについても、リスナーの好みは多様化しています。
大半は15~60分のエピソードを好むものの、15分未満の超短時間の配信を聴取する人が64%(11%増)、1時間以上の超長時間の配信を聴取する人が65%(7%増)に達しました。この結果から、前年と比べて、超短時間または超長時間の配信に人気が集まる傾向がみられます。

今回の調査から、オーストラリアのポッドキャスト市場では、ミレニアル世代とZ世代に加え、ブルーカラー層が成長をリードしていることが分かりました。またプラットフォームの動向では、YouTubeの利用率が引き続き増加し優位性を高める一方、Apple Podcastの利用率は低下しました。この勢力図の変化が、今後もオーストラリアのポッドキャスト市場で継続するのか、注目です。
Deadset Studiosとは
Deadset Studiosは、オーストラリアを拠点とするポッドキャスト制作・戦略立案を行う企業です。オーストラリア国内外の主要メディアと連携し、数多くのオリジナルおよびブランドポッドキャストを手掛けています。
参照元:Australia: millennials, Gen Z and blue-collar workers all listening more



YouTube、グローバルでシェア拡大している。