Googleは、次世代Bluetooth技術「LE Audio」とその機能「Auracast」に関して、Android端末での対応を順次拡大すると発表しました。これにより、対応デバイスを使うユーザー同士が、QRコードやFast Pairを通じて音声を同期してシェアできるようになります。
Androidで広がる「LE Audio」と「Auracast」
LE AudioはBluetoothの新しい規格で、従来よりも低消費電力で高音質な音声通信を実現します。その中核機能であるAuracastは、1台の端末から複数のヘッドホンやイヤホンへ同時に音声を配信できる仕組みです。
これにより、映画や音楽、ポッドキャストを複数人で同時に楽しむなど、音声を“共有する体験”が手軽になります。接続はQRコードのスキャンやFast Pairによるワンタップで行え、日常的な利用にも取り入れやすい設計です。
これまでAuracastは限られたデバイスでの対応にとどまっていましたが、今回の発表により、より多くのAndroid端末で利用できるようになります。
主要メーカーと連携した対応拡大へ
Googleは、Pixelシリーズをはじめ、Samsung、Xiaomi、OnePlus、Sony、Honorなどの主要メーカーと協力し、今後数カ月をかけて対応端末を拡大するとしています。対応機種では、ユーザーがBluetooth設定画面から対応デバイスを確認でき、複数のイヤホンを同時に接続して音声を共有することが可能になります。
また、Googleは公共空間での活用にも言及しています。空港や美術館、ジムなどの「Auracast対応施設」では、音声をブロードキャストとして発信し、来場者が自分のイヤホンで直接受信できるような利用が想定されています。一方で、送信元と受信機の両方がLE Audio対応である必要があり、当面は対応デバイスの拡充が進められる見込みです。
今回の発表は、Androidプラットフォーム全体でオーディオ体験をより柔軟かつ共有的なものに進化させる取り組みの一環です。対応端末の増加により、より多くのユーザーが高音質かつ低消費電力のワイヤレスオーディオを体験できるようになります。
LE Audioとは
LE Audio(Low Energy Audio)は、Bluetoothの新しいオーディオ規格で、従来のBluetooth Classic Audioに代わる次世代技術です。低消費電力で高音質な音声伝送を実現し、新しい音声コーデック「LC3(Low Complexity Communication Codec)」を採用しています。これにより、電力効率を保ちながらクリアな音質を提供できるほか、左右のイヤホンへ独立した音声を送る「マルチストリームオーディオ」や、複数人で音を共有できる「Auracast」などの新機能にも対応しています。
参照元:Share your world of sound with LE Audio on Android
イヤホンをシェアする時代から、音そのものをシェアする時代に。