音声コンテンツプラットフォーム「Pling(プリング)」は、日本市場での利用拡大を受け、新機能と今後の展開について発表しました。Plingは、人気ウェブトゥーン原作のオーディオドラマ、AIを活用した名前カスタマイズ機能、クリエイター向けサブスクリプションシステムなどの多機能性を強みとして、日本の音声コンテンツ市場に参入しています。

オーディオコンテンツ市場の拡大とPlingの特徴
近年、オーディオドラマやASMRといった「聴くコンテンツ」市場は世界的に拡大傾向にあります。市場調査会社Verified Market Reportsの報告によると、グローバルなオーディオドラマ市場は年平均成長率(CAGR)9.8%で推移。Datainteloの調査では、ASMR市場が16.8%の成長率を示しており、特に日本を含むアジア太平洋地域では12~19%台という成長率が報告されています。
このような背景の中、Plingは2021年のローンチ以降、累計ダウンロード数が100万を超え、日本国内の会員数は4万人以上に増加しています。また、2023年にはApple App Storeの「みんなに愛されるアプリ」に選出されています。
Plingの最大の特徴は、音声コンテンツに映像要素やインタラクティブ性を組み合わせた「体験型プラットフォーム」としての機能にあります。具体的には、画像付きの動画プレイヤーや、ユーザーの選択で結末が変わる選択型ストーリー、AIカスタムボイスを組み合わせることで、没入感の向上を目的とした設計がなされています。

AIカスタムボイス機能と独自コンテンツ展開
特に注目されるのがAIカスタムボイス機能です。本機能は、AIが声優の音声データを学習し、ユーザーが登録した名前を声優の声で自然に読み上げることで、「自分の名前を声優の声で呼んでもらえる」という体験を実現しています。これは、従来のシチュエーションボイスが音声のみであった点や、乙女ゲームにおける名前のカスタマイズが限定的であった点と比較して、AI技術を活用した新たな体験の提供と位置づけられます。
コンテンツ面では、ウェブトゥーン原作のオーディオドラマが提供されています。BLオーディオドラマシリーズでは、ピッコマやLINEマンガ、ベルツーンなどで人気のウェブトゥーン作品を原作とし、プロ声優が演技を担当しています。
現在は、ロマンス・ファンタジー・オフィス物・学園物など多岐にわたるジャンルのコンテンツが毎週更新されています。これらの作品は既存のファンベースを持つIPであるため、ユーザーは好みに合わせて作品を選びやすくなっています。さらに、一つの作品で複数のエンディングを楽しめる選択型ストーリーも用意されており、視聴体験の幅が広がります。

クリエイターとの交流を促す
本サービスには、声優およびクリエイターのフォローシステムが導入されています。ユーザーは好みのクリエイターをフォローすることで、そのクリエイターの全作品をまとめて視聴することが可能です。
機能面では、クリエイターの更新スケジュールを確認できるフィードや、多言語対応のコメント機能、応援システムなどが提供されています。
さらに、コンテンツ制作には韓国や日本のクリエイターが多数参加しており、国境を越えた交流も活発です。また、クリエイターマネジメントにおいては、録音サポートや台本作成支援を通じて、クリエイターがコンテンツ制作とファンとのコミュニケーションに注力できる環境を整えているとのことです。

ユーザーの反応と今後の展望
Plingは、これらの独自機能によって、日本のユーザーのニーズに応えるコンテンツを充実させるとともに、新たなクリエイターの育成にも積極的に取り組む姿勢を示しています。日韓の優れた音声文化を融合させることで、これまでにない新しいプラットフォームの構築を目指すとコメントしています。
Pling(プリング)とは
Pling(プリング)は、韓国を拠点とする音声コンテンツプラットフォームです。主にロマンス系を中心としたオーディオドラマやボイスコンテンツを提供しています。
特徴として、ウェブトゥーン原作のオーディオドラマ化、クリエイターの収益を支えるサブスクリプションシステム、そしてAI技術を用いたカスタムボイス機能の導入を掲げています。
参照元:音声コンテンツプラットフォーム「Pling」、日本市場での成長状況と新機能を発表


![[科学で考えるソニックマーケティング]第4回:ちょっぴり残念なお知らせ・・・万能の店舗BGMはありません](https://audio-marketing.jp/wp-content/uploads/2024/05/2024-05-24-16-50.png)
声優さんが個人的に話しかけてくれるかのような体験ができるのは贅沢やな。