英国でポッドキャスト視聴者が3,500万人突破。エジソンリサーチ調査

エジソンリサーチが調査を実施し、AdsWizz（SiriusXM Media）と共同で発表した「The Infinite Dial UK 2025」の最新データが公開されました。「The Infinite Dial」はアメリカで1998年から毎年行われているデジタルメディアの消費者行動についての調査です。ウェビナーおよびロンドンで開催されたPodcast Showでは、英国16歳以上の1,313名を対象とした調査結果が発表されています。

スマホやスマートデバイスの普及が音声市場を後押し

英国の16歳以上のスマートフォン所有率は97％に達し、4年前の83％から大幅に上昇しています。スマートスピーカーの所有率も25％から45％に拡大し、内訳はAlexa（Amazon Echoなど）が37％、Google Home（Google Nestなど）が16％、HomePodが5％となっています。

ウェアラブル機器の普及も進んでおり、スマートウォッチの所有率は11％から23％に倍増。ワイヤレスヘッドフォンは51％（約2,500万人）が所有し、家庭での従来型ラジオの保有は減少傾向にあることが示されています。

音声コンテンツの利用実態

週に音声コンテンツ（ラジオ、音楽ストリーミング、ポッドキャストなど）を聴取している英国の成人は74％（約3,600万人）に上り、米国の72％をわずかに上回っています。ポッドキャストの週次聴取率は39％（約1,900万人）で、英国と米国（41％）との差はわずか2ポイントに縮小。2021年の25％から大きく成長しています。

また、ポッドキャストを一度でも視聴した経験がある人は、68％（約3,300万人）から71％（約3,500万人）へと拡大しています。エジソンリサーチは、「ポッドキャストは新しいメディアではなく、すでに定着化したメディア」だと表現しています。

車内聴取やスマートホームとの親和性も進化

車内オーディオ環境のデジタル化も進展しています。Android AutoまたはApple CarPlayを搭載した車両を利用している人は38％に増加。車内でポッドキャストを聴く人の割合も、2021年の15％から22％に拡大しています。

また、スマートTVの所有率は50％から72％に上昇。スマートスピーカーやスマートウォッチ、スマートフォンとあわせて、多様なデバイスを通じた音声接触機会が広がっています。

ソーシャルメディアの変化と視聴者の接点

英国ではソーシャルメディアの到達率が全般的に高く、FacebookやInstagram、LinkedIn、X（旧Twitter）はすべて米国を上回っています。特にXは英国で35％、米国では21％という結果でした。

最も頻繁に利用するSNSの傾向も変化しています。以前はFacebook、Snapchat、Xが上位を占めていましたが、現在はInstagram（9％→23％）とTikTok（7％→11％）の存在感が高まっています。

今後の展望と業界インパクト

今回の調査では、英国のポッドキャストで一度でも視聴した経験のある人が3,500万人を超えたことが明らかになりました。スマートフォンやスマートスピーカーなどのスマートデバイス普及が、音声コンテンツ消費を後押ししていることがデータからも読み取れます。今後は映像も含めたビデオポッドキャストのさらなる拡大が見込まれます。

こうした多様な接点を活用し、音声マーケティングやコンテンツ戦略を柔軟に設計していくことが、今後ますます求められるようになるでしょう。

参照元：The Infinite Dial UK 2025

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