富士通は、PowerPointの資料を読み込ませることで、AIアバターがプレゼンテーションと質疑応答を行う「Fujitsu AI Auto Presentation」を開発しました。AIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術が活用されており、6月19日から法人向けにトライアル環境の提供が開始されています。

AIアバターがプレゼンテーションを変革
本技術は、ユーザーが指定したMicrosoft PowerPointのプレゼンテーション資料をAIが読み込み、説明文を自動的に生成することで自動でプレゼンテーションを行えます。また、あらかじめ質疑への回答を生成しておくことで、事前に設定したAIアバターを介して音声によるインタラクティブな応答を行うことも可能です。
これにより、これまで人を介して行われてきた資料作成やプレゼンテーションの手間が大幅に削減され、ビジネスコミュニケーションの効率化が期待されます。
インタラクティブな質疑応答とMicrosoft 365 Copilot連携
本技術の重要な特徴は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)に基づいた質疑応答機能です。事前に組み込まれた資料からAIが回答を生成し、AIアバターを通じて音声でインタラクティブに応答するため、よりスムーズで情報量の多いコミュニケーションが可能になります。
その他、Fujitsu AI Auto Presentationには、以下のような特長があります。
- ユーザー自身の顔と声を模したAIアバターを生成
- 文字数や制限時間を指示することで、自動的にスライドを切り替えてプレゼンテーションを実行
- 自動生成文や、固定文、指定文の挿入、文体制御など多様なカスタマイズが可能
- 30か国語以上に対応
Fujitsu AI Auto Presentationで変わる企業コミュニケーション
日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部長の浅野智 氏は次のようにコメントしています。
今回、Microsoft 365 Copilotの宣言型エージェント上で「Fujitsu AI Auto Presentation」が利用できることによって、利用ユーザー様の多言語での情報発信によるグローバル展開の加速、プレゼンテーション制作工数の削減によるマーケティング業務の効率化、さらには社内外のナレッジ共有の迅速化など、企業が直面するコミュニケーションや業務効率に関する課題の解決につながることを期待しています。
同氏は今後も富士通との連携を強化し、AIエージェントソリューションの展開とエコシステム強化を進めるとしています。
RAGとは
RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)は、大規模言語モデル(LLM)が、自身が学習したデータだけでなく、外部の知識ソース(データベース、文書など)を検索し、その情報を基に回答を生成する技術です。これにより、LLMの「ハルシネーション(誤情報生成)」を抑制し、より正確で信頼性の高い、かつ最新の情報に基づいた回答が可能になります。
参照元:AIアバターがプレゼンテーションや質疑応答対応を行う「Fujitsu AI Auto Presentation」を開発
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