米国ポッドキャスト業界団体のSounds Profitableは、最新レポート「The Creators 2025」を公開しました。
本調査はポッドキャストクリエイターの制作実態や動向の把握を目的としたもので、2022年以来2回目となります。今回の報告では、制作フォーマットの多様化や多文化コミュニティの影響力拡大が示される一方で、クリエイターの高い離脱率、すなわち「活動継続の難しさ」が業界全体の課題として浮き彫りになりました。

ポッドキャストのマルチフォーマット化が進展
現在のポッドキャストシーンでは、音声のみに留まらないマルチフォーマット化が急速に進んでいます。調査データによると、アクティブなクリエイターの71%が何らかの形で動画コンテンツを制作しています。
その内訳は、以下の通りです。
- 動画のみ:35%
- 音声と動画の併用:36%
- 音声のみ:29%
この傾向は、YouTubeやSpotify、Apple Podcastsといった主要プラットフォームの動画対応や、SNSでのショート動画消費など、視聴者の習慣変化にクリエイターが適応している結果だと考えられます。
多様化するクリエイター層とジェンダーによる継続率の差
かつてポッドキャスト制作は白人系男性が主流でしたが、現在は多様なコミュニティが業界をけん引しています。米国在住の成人5,035名を対象とした今回の調査では、各属性のクリエイター比率において、いずれも白人系(9%)を上回る結果となりました。
- ヒスパニック系:18%
- 黒人系:16%
- アジア系:12%
また、ジェンダー別で見ると、制作に携わっている割合は男性の15%に対し、女性は8%に留まっています。しかし、一度制作を始めたあとの継続率は、女性が69%と男性(67%)をわずかに上回りました。この結果について、Sounds Profitableのパートナーであるトム・ウェブスター氏は、女性にとっての課題は活動の継続ではなく、制作を開始する際の参入障壁にあると分析しています。
クリエイターの3人に1人が活動を停止していることが判明
業界全体の重要な課題として浮き彫りになったのが、活動の「持続可能性」の問題です。調査によると、これまでに制作を経験した人のうち、約3人に1人(約6%)が現在は活動を休止しています。特に、LGBTQ+コミュニティや55歳以上の層では離脱率が40%に達しており、特定の属性において活動の継続が困難になっている傾向が見られます。
活動を停止したクリエイターの共通点として指摘されているのが、「自分が普段消費しているフォーマット」と「実際に制作しているフォーマット」の乖離です。休止したクリエイターの多くは動画コンテンツを制作していましたが、自身が日常的に親しんでいるのは音声コンテンツでした。
これに対してウェブスター氏は、「自分が最も好む形式でコンテンツを制作することこそが、バーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぎ、活動を長続きさせる鍵である」と分析しています。
Sounds Profitable(サウンズ・プロフィタブル)とは
Sounds Profitableとは、ポッドキャスト業界に特化した米国発のメディア&リサーチ企業で、ビジネスとしてのポッドキャスト(広告、収益化、技術革新など)に焦点を当て、業界関係者向けにニュースレター、リサーチ、イベントなどを通じて情報提供・教育を行う団体です。ポッドキャスト業界の「業界団体」のような役割を目指しており、ポッドキャストの成長とマネタイズを支援しています。
参照元:New Creator Study Reveals Format Diversity Growth and Retention Challenges in Podcasting



確かに制作時のフォーマットが普段消費しているフォーマットと違うと、理想を見失いそうだよな。